ポイント
- 形容詞繰り返しは強調← malayong malayo とても遠い
- ma-+語根繰り返しは緩和← malayo-layo ほどほどに遠い
malayo-layo pero sulit
Youtubeで以下の表現を見かけました。
malayo layo pero sulit 少し遠いけど価値がある
JPinoy Vlogs (Youtube動画)
ほどほどに遠いけど、行く価値があるという意味です。
malayo-layo は “少し”遠いという意味です。
形容詞全体を繰り返す、”malayong malayo” はとても遠いという意味ですが、”malayo-layo”だとほどほどに遠い、という意味です。遠いには違いないのですが、ほどほど感をあらわしています。
malayo-layoはTagalog.comの辞書では以下のように書かれています。
malayo-layo: [adjective] somewhat far from(~からある程度遠い) • quite a distance(けっこうな距離)
Tagalog.com – malayo-layo
ma- 語根繰り返し – 形容詞の緩和表現
形容詞 + リンカー + 形容詞: とても
形容詞を繰り返すと意味を強めます。とても、かなり、非常に、という意味です。
- malayong malayo とても遠い
- magandang maganda とても美しい
- masarap na masarap とてもおいしい
ma + 形容詞語根繰り返し: ほどほどに
一方、ma-形容詞接辞 + 語根の繰り返し (リンカーなし)の場合は、少し、それなりに、ほどほどに、というある程度という意味の形容詞になります。
- malalyo-layo ほどほどに遠い
- maganda-ganda ほどほどにおいしい
- masarap-sarap ほどほどにおいしい
参考
- 大学のフィリピン語 P78 形容詞の緩和表現
- 文法入門 P85 程度緩和表現 – MA-形容詞の語根の2音節を繰り返す
とても の意味でも?
ただ、”ほどほどに”は個人の主観で、“とても”と同じ意味で使われることもある?(TODO)。
日本語の”ちょっと”、”けっこう”
英語の”pretty”、”quite”
などは、あらわす程度があいまいな表現で、”とても”だったり”ほどほど”だったりすることがあります。タガログ語のmalayo-layoもそんな感じでしょうか?
畳語 reduplication
単語の繰り返しですが、タガログ語はこういう繰り返しが多くて、何か変な言葉だなーというイメージがあったのですが、考えてみると日本語でもありますね。
以下の繰り返しは強調
- もういっぱいいっぱいです。
- 痛々しいね
以下の繰り返しは緩和、婉曲表現な気がします。
- ちょくちょく行くよ (ちょくちょく:毎日じゃないけどそこそこ頻繁に)
- 近々公開予定です (近々:そんなすぐじゃないかもしれないけど遠くない将来)
- 薄々気づいてたよ (薄々:100%じゃないけど、たぶん)
参考
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