先日、フィリピン宛送金の手数料比較のブログ記事を書いたが、”モバイルマネー宛”の送金も簡単で早い送金方法だ。
〇送金が早い
〇受取が簡単(近所のATMで出金できる)
×本人認証、ATMカードの入手などの準備が必要
×送金額に上限があり、大金の送金には使えない
モバイルマネーとは
モバイルマネー(mobile money)とは、携帯電話、スマートフォンで利用する電子マネーのことだ。モバイルマネーの口座は、電子ウェレット(e-Wallet)と呼ばれる( 参考1 参考2 )。
フィリピンのモバイルマネーはPayMayaとGCashという2つが有名だ。モバイルマネーを使って、お店で買い物が出来る(QRコード決済)ほか、ユーザー同士でモバイルマネーの送金が可能だ。またモバイルマネーはATMからペソとして出金することができ、本物のお金と交換可能となっている。
国際送金サービスでモバイルマネーへ送金
国際送金サービスを利用して、日本からフィリピンに送金する場合、受け取り方法は、主に受取拠点、銀行、モバイルマネー(eウェレット)の3つがある。
個人間送金でよく利用されるのは現地受け取り拠点(銀行のように口座開設が不要で簡単)だが、受取方法をモバイルマネーに指定することで、モバイルマネーでの受け取りも可能だ。送金サービス会社によって、モバイルマネーはeウェレットとも呼ばれる。
メリットとデメリット
国際送金サービスを使ってモバイルマネー宛に送るメリット、デメリットは以下のことが考えられる。
〇送金が早い
手続きが早い。送金サービス会社で入金確認が取れた後はものの数分で送金が完了する。
〇 受取が簡単(近所のATMで出金できる)
フィリピン側で受け取ったモバイルマネーはATMで出金して現金化できる。現金受け取り拠点では、申請書に書いて、人の列に並んで・・・といった手間に比べると、近所のATMで出金するだけの方が楽である。特に現在のような新型肺炎の影響で現地受取拠点が混雑してる状況ではこのメリットは大きい。
× 本人認証、ATMカードの入手などの準備が必要
一方、モバイルマネーのデメリットとしては、準備が手間である。モバイルマネー口座を作り(スマフォにアプリをインストール)、本人認証を行い、ATMカードを入手する必要がある。ただ、手間とは言っても、銀行口座開設に比べると簡単で難易度はかなり低い。
× 送金額に上限があり、大金の送金には使えない
モバイルマネー口座は送金、入金できる金額に制限があり、月の上限はPayMaya、GCashとも10万ペソとなっている(後述)。月1~2万ペソなら問題ないが、大金の送金には向かない。
△ATM手数料
ATMでお金を引き出すのに1回15~20ペソ程度の手数料が取られる。受取拠点でも場所によって手数料がとられることもあるし、これは微々たるものだろう。
モバイルマネー宛に送金できる国際送金サービス
モバイルマネー宛送金が可能な送金サービスは限られているが、TransferwiseはPayMaya、GCash宛の送金が可能だ。他にGCashRemitもGCash宛が可能。
補足:WorldRemitは以前は対応していたが現在は非対応(自社のWorldRemit Walletと競合するから?)。Western UnionはPayMaya、GCash宛の送金も今にもできる感じだが日本からは今は非対応ぽい。SBIレミットはモバイルマネー送金というのがあるが、何宛なのかイマイチ不明。
モバイルマネー → モバイルマネー送金
一歩進んで、自分でモバイルマネー口座を持っておけば、個々の送金はもっと簡単になる。国際送金サービスを使って数万円自分のモバイルマネー口座に送金して蓄えておく。そして、自分のモバイルマネー口座から必要に応じて都度、送金する。
この方法のメリットとしては、まず簡単(モバイルマネー間の送金が)。そして、早い。送金処理は一瞬である(数秒~数分)。また、手数料もゼロだ。
デメリットは送金上限。PayMaya、GCashとも毎月の送金上限が10万ペソなので、大金を送るのにはむかない。
参考 送金上限
PayMaya: 本人確認済みの場合、月トータル10万ペソまで入金、送金可能。日に5回、月に30回まで送金可能。
Is there a limit for the transactions? (PayMaya)
GCash : 本人確認済みの場合、月トータル10万ペソまで入金、送金可能。ATM引き出しは日に2万ペソまで。
また、口座開設、本人確認という準備が必要になる。特にPayMayaの場合、本人確認は、カメラ通話で英語でオペレータと話す必要があり、英語が苦手なおじさんには敷居が高いかもしれない。
私はアパートの住所で本人確認したのだが、旅行者がホテルの住所でも、本人確認できるだろうか?俺、旅行者だけど、本人確認できたよ!っていう人いたら教えてください。→GCashはホテルの住所で本人確認OKだそうです(コメント欄参照)
まとめ
以上、モバイルマネー口座宛の送金についてメモってみた。
一回だけの送金相手にモバイルマネー口座を作らすのは手間だが、固定嬢で毎月送金を繰り返すなら、モバイルマネー口座宛送金も一考だと思う。
自分がモバイルマネー口座を作るのは、やや手間だが、SmartやGlobeの携帯ロードにも使えるし、PayMayaかGCashのどちらか一つ作ってみておくと何かと便利かもしれない。
補足:送金手順
トランスファーワイズ(PayMaya/GCash宛)、PayMaya(PayMaya宛)、GCash(GCash宛)の各サービスを使った具体的な送金手順をざっくり記述しておく。
トランスファーワイズで送金(PayMaya/GCash宛)
トランスファーワーズでモバイルマネー(PayMaya/GCash)宛に送金する方法の具体的手順。他の送金サービスを使ったことのある人なら特に難しくはないと思う。留意点としては以下。
- 相手のモバイルマネーの口座(電話番号など)を指定する
- 銀行振込の際には指定されたReference番号を振込人(自分の名前)の後に追記すること
①TransferwiseのWebサイトにログインし、「Send Money」ボタンを押す
②金額を入力。ここでは、2000円を送金(手数料115円が引かれ、886ペソが相手に送金される)。
②受取人の選択。New recipientのSomeone elseを選択する(2回目以降は前回送金した人を選択)。
③受取人の情報を入力する。名前、住所を入力。Bank detailsで、E-Walletを選択し、PayMayaかGCashか、携帯番号を指定する。(銀行宛の場合は、ここで銀行口座の情報を入力)
④送金相手の確認画面が表示されるので、内容を見て Continue。
⑤取引の確認画面が表示されるので、内容を見て Confirm and Continueボタンを押す。
⑥送金方法画面。ここでは銀行振込を選択(デフォルト)。Continue to paymentボタンを押す。
⑦送金指示画面。送金先の銀行口座、金額、その他追加するreference番号についての指示がある。この画面は閉じずに置いておくと便利(コピペなどで口座番号やreference番号を貼り付けるので)。
⑧次にトランスファーワイズ宛に銀行振込を行う。やり方は使う銀行によって異なる。以下の画面は私の利用している住信SBIネット銀行から送信した例。注意点としては、先ほどのPから始まるreference番号を振込人名の後ろにつけること。
⑨先ほどの送金指示画面(⑦)の下の方に、”I’ve made my bank transfer”というボタンがあるので、それを押す(押した方が早いのかな?押し忘れてもまぁ処理はしてもらえるはず)。
⑩以上、送金処理は完了。処理の状況は、トランスファーワイズのメニューのActivityから確認できる。
経験上、入金の確認処理はかなり早い。10~20分でフィリピンの相手先モバイルマネー口座に着金連絡がいく。
PayMayaで送金
自分のPayMaya口座から、相手のPayMaya口座に送金する手順。まぁ解説する必要ない見ればわかるやつだが・・・以下はAndroidの画面だが、iPhoneでも多分似たようなもんだと思う。
①スマフォのPayMayaアプリを開き、「Send Money」を選択
②Send Money画面。送金先と金額を入力しContinueボタンを押す。送金先は、右側の人マークからアドレス帳を開き選択できる(アドレス帳に登録していれば)。
③確認画面が表示される。Sendボタンを押す。
④送金結果の画面が表示される。
⑤送金画面から最初のメニュー画面に戻ると、Available Balanceで送った金額分(100ペソ)減っているのがわかる。
参考 How do I Send Money to another PayMaya account?
GCashで送金
自分のGCash口座から、相手のGCash口座に送金する手順。
①スマフォのGCashアプリを開き、「Send Money」を選択する。
②送金方法を選択する画面で「Express Send」を選択する。これが一番シンプルな送金。
③次に、送金相手と送金額を入力する。送金相手はアドレス帳から選択可。「DONE」で次の画面へ。
④確認画面が表示されるので、メッセージを入力(任意)し、「CONFIRM」を押す。
⑤送金結果の画面が表示される。「DONE」「OK」を押して、メニューにもどる。
⑥最初のメニュー画面で送金額(100ペソ)が引かれているのが分かる。
以上、送金手順をメモしておいた。
コメント
Gcash、wiseを利用するにあたりこちらの記事を参考にさせて頂きました。ありがとうございます。
Gcash の住所(旅行者)ですが、最初の登録時は日本の住所にしたと思うのですが本人確認時はフィリピンの住所が必要だったためホテルの住所を使いました。特に問題なくすぐに認証されました。
マスターカード入手時もそのホテルに配送してもらいました。
tonviさん、コメントありがとうございます。
GCashはホテルの住所で本人確認OKなんですね。
でカードはホテルに送ってもらえばいいと。旅行者でも十分使えますね。
カードなんですが、発注から10営業日以内に到着と表示されていたように記憶しています。おそらく5日以内に届くことはないだろうと思って、ホテルのチェックインの5日前に発注しました。ホテルには郵便物が届いたら受け取っておいて欲しいとの旨をメールしておきましたが、7日目に到着しましたので自分で受け取りのサインをしました。もし、本人不在の場合ホテルで受け取ってもらえるかどうかは不明です。なのである程度の日数同一ホテルに滞在される旅行者であれば、カード入手可能だと思います。
5日前発注は絶妙なタイミングですね。ホテルで受け取る方法、経験談ありがとうございます。